「公園の老人、ブックエンドみたいだ」 S&G ”OLD FRIENDS”のあせることのない”魅力

Old friends  Old friends 
Sat on their park bench 
Like bookends 


公園のベンチの両端にすわっている二人の老人
その姿は
まるでブックエンドみたいに見える

フォークギターの乾いた響きの中からこう歌い出されるのは
1968年のサイモンとガーファンクルのアルバム

『BOOK END』に収録された”Old friends”

その永遠の魅力について書いてみます。

目次

S&Gの不朽のアルバム『ブックエンド』

アルバム『BOOK END』について

BOOK END』はサイモンとガーファンクルが1968年にリリースしたアルバムです。

1964年から1970年という音楽的内容の濃さに比べると意外に短い活動期間の中で制作された
主要な6つのアルバム中の5番目のものになります。

LP両面に収録され、A面(1-7)はストーリー性のある実験的な内容
B面(8-12)はロック色の強い内容になっています。

  1. ブックエンドのテーマ (インストゥルメンタル)
  2. わが子の命を救いたまえ
  3. アメリカ
  4. オーバース
  5. 老人の会話
  6. 旧友(Old friends)
  7. ブックエンドのテーマ
  8. フェイキン・イット
  9. パンキーのジレンマ
  10. ミセス・ロビンソン (映画『卒業』より)
  11. 冬の散歩道
  12. 動物園にて

A面の構成と内容が完璧!

ブックエンドはA面B面問わず、素晴らしい曲ばかりです。
しかし、あえて言わせていただければ「A面の完成度が特筆に値する素晴らしい出来栄え」なのです。

作詞作曲を担当したのはポールサイモン Paul Simon (1941- )
当時27歳の青年の音楽的、文学的感性には、ただただ驚かされます。

現代アメリカを題材にした5曲がテーマでブックエンドされている

A面の構成をみて見ると

  1. ブックエンドのテーマ (インストゥルメンタル)
  2. わが子の命を救いたまえ
  3. アメリカ
  4. オーバース
  5. 老人の会話
  6. 旧友(Old friends)
  7. ブックエンドのテーマ

フォークギターによるブックエンドのテーマから(当時の)現代アメリカの問題を切り取る様な3曲が続きます。
老人ホームの老人の会話がサウンドエフェクトの様に挿入された後に
オールドフレンドが歌われます。

Old Friends 一瞬で情景が浮かぶ歌詞

Old friends, old friends,
Sat on their parkbench like bookends
A newspaper blown through the grass 
Falls on the round toes
of the high shoes of the old friends

Old friends, winter companions, the old men
Lost in their overcoats, waiting for the sunset



The sounds of the city sifting through trees
Settles like dust on the shoulders of the old friends

Can you imagine us years from today,
Sharing a parkbench quietly
How terribly strange to be seventy

Old friends, memory brushes the same years,
Silently sharing the same fears

オールドフレンズ
公園のベンチの両端に座っている二人の老人
まるでブックエンドみたいだ
すてられた新聞紙が風に吹かれて芝の上を舞う
彼らの丸い革靴のつま先にからみついて

オールドフレンズ
残り少ない日々を共に過ごす仲間たち
コートにくるまったまま
日が沈んでいく

町のざわめきが公園の木々の間から聞こえてくる
それはホコリのように彼らの肩の上につもる

僕らもいつかああやってベンチで静かに
最後の季節を迎えるようになるんだね
70歳になった自分 想像できるかい

オールドフレンズ
会話は同じ昔話ばかり
静かに同じ思いを共有しながら

どうしたら27歳でこの歌詞が書けるのでしょう。
韻の踏み方も文学性を高めていますね。
なんという想像力と創造力!

Old Friends 簡潔的確で歌詞にぴったり寄り添うメロディ

「歌詞が先か、歌が先か」
普段はあまり意識しませんが、サイモンの歌を聴くとこれは同時だなと思います。
(ちなみにユーミンは歌先だと言ってました。)

2つのメイジャーセブンスコード(Ⅳ→Ⅰ: Emaj7→A maj7)で歌われる簡潔な ”Old friends”
そして、6/8拍子の単純なメロディの中に、まるで最初から位置が決まっていたみたいに入り込んでいく歌詞達
(画像をクリックして別ページでYouTubeをご覧ください。)

バッキングに流れ、中間部では胸をかきむしる様な小編成オーケストラのアレンジは Jimmy Haskell の手によるものです。

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