バレエ音楽をもっと知ろう!「ドン・キホーテ」から

吹奏楽で一般に取り上げられるバレエ音楽というとチャイコフスキーの3大バレエドリーブのコッペリアシルヴィアストラヴィンスキーの火の鳥などがあり、良い編曲譜もたくさん出ています。

しかし知れば知るほど、聞けば聞くほどバレエ音楽の世界は奥が深く、実は素晴らしい作品がもっともっとあります。

目次

ドンキの世界

今回ご紹介するのは、オーストリアの作曲家レオン・ミンクス Léon Fedorovich Minkus (1826.3.23 – 1917.12.7)のバレエ付随音楽「ドン・キホーテ」です。

スペインの作家セルバンテス(Miguel de Cervantes Saavedra, 1547.9.29 – 1616.4.23)の原作によるこの小説は、劇としての上演なども含め世界中で親しまれています。

クラシック音楽の世界ではR.シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」があまりにも有名です。

しかしバレエをやっていらっしゃる方にとって、いやバレエ界においてなくてはならない作品の一つがこのドンキなのです。

日本でも各バレエ団が競って上演していますし、バレエ教室の発表会でも欠かせない演目になっています。最近では熊川哲也さん率いるKカンパニーの公演がとても評判になりましたね。

その魅力は、個性的な登場人物たちが醸し出す物語やマリウス・プティパ Marius Petipa(1818.3.11 – 1910.7.14.)の完璧な振り付けの素晴らしさ、そしてバレエ音楽の天才-ミンクスの創り出す豊かな音楽が大きく寄与しています。

吹奏楽編曲版について

そんなドンキですが、吹奏楽として取り上げられる機会があまりないため編曲したのがこの版です。

オーケストラ・スコアは入手できませんでしたので、ピアノ版からアレンジしました。

序曲

情景

行進曲

ジプシーの踊り

アダージョ (グラン・パドゥドゥ)

以上の概ね五つの部分を抜粋していますが、全ての曲がバレエ付随音楽という域を超えて極めて完成度の高い素晴らしい楽曲ばかりだと思います。

アレンジに際して、曲順は時系列ではなく音楽的な構成を配慮して編曲、最後は快速系のテンポではなくアダージョのグランディオーソで終わる構成としました。

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