アル・パチーノ、その孤高の存在感

映画界やテレビ界でも、若い時からずっと継続して活動し、またできている俳優は少ない。
アメリカ合衆国の映画俳優アル・パチーノは、そのキャリアを誇る一人です。

数々の賞を受賞暦やノミネート作品もありますが、1993年にアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。
その作品『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』とアル・パチーノの魅力について書いていきます。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』予告編(約3分)

映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』は、人生に悲観し孤独な日々を送る盲目の退役軍人(アル・パシーノ)が、人生の選択に迫られている一人の青年との交流を通じて、人生を見つめ直し、新たな一歩を踏み出す決意をするまでを描いた感動のドラマです。

圧巻の徹底した完全な演技に感動させられる

”圧巻” ”徹底した” ”完全な” と形容詞を3つも重ねましたが、これは誇張でもお世辞でもなく、本当の感想なのです。

主人公の退役軍人フランク「盲目で」「とてつもなく気難しく」「排他的で」「毒舌」な人物として描かれています。

まず、瞳が全く動きません。どうやっているのかわかりません。
でも表現がおかしいかもしれませんが盲人よりも盲人らしく見えるのです。
これは圧巻です。

もちろんシナリオも優れているのですが
フランクのセリフに全く無駄なものがなく
かつその場に必要なものは全て備えているので
グイグイとストーリーに引き込まれていきます。
魔法にかかった様に。
パシーノ・マジックです。

青年チャーリーの恋人、ドナと単語を踊るシーンはとても印象的
踊ることをためらうドナに優しく一歩を踏み出すことを促す演技は完璧です。

「首の差で」は、アルゼンチンの歌手『カルロス・ガルデル 』の名曲です。

演じるのではなく成りきることから伝わる凄さと説得力

この人の演技は、主人公に共感して他人としてその役を演じているレベルではないですね。
完璧にその人物に成りきっているからこそ、各シーンから目を離せないのです。

特に、青年を校長の諮問による公開懲戒委員会の試練から救うシーンでの演技は、本当に心を揺さぶられます
圧倒的な演技力です。

日常には、不条理や不公平、割り切れないことがたくさんありますね。
そんな時に見ると、乾いた心にオアシスができるオススメの映画です。

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