基礎合奏練習で実力を付ける

野球選手やマラソン選手など
多くのスポーツ選手は
技術習得と並行して日々、基礎体力をつける努力をしています。


管楽器の演奏や合奏においても
基礎練習は最重要事項と言って良いでしょう。


小手先の技術のみにしばられることなく
自分の身体で美しい音を作る技術を身につける

これこそ上達の近道ですし
演奏を楽しむことにも直結するのです。


ことさらコンクールにおいては
大きな評価要素となるのが
この音を作る技術の優劣であることは、再確認しておきたいものです。




基礎合奏練習を始めましょう!

各課題には所要時間が記載されています。

限られた練習時間を有効に使って

計画的に
休まず
できる限り繰り返して
練習していくことが重要です。

基礎合奏練習は
音を作る技術を習得するための練習

そして
音の良し悪しを瞬時に聞き分ける
耳を育てる時間
です。

練習する項目に移動するには
画面をスクロールするか
目次をクリックしてください。

目次

1. Bb SCALE LONG TONE
Smooth response,Perfect picth & Filled Sustain

ロングトーン練習をやろう。
管楽器で一番大切な練習です!

ロングトーン練習の目標

  1. 歌うように、たっぷりと鳴らす
  2. 【正確な振動】が正しい音程を作る
  3. ブレない、かつ引き締まったサウンドを作る
  4. 腹式呼吸で音を止める
  5. 全員で透明なユニゾン (1度、8度) を作り上げる

ロングトーンの練習方法

  1. メトロノームで指定されたテンポを鳴らす
  2.  吸気しながら身体を前へ倒す
  3.  排気しながら身体を元の位置に戻していく
  4. クロス位置で自然に消音する
  5. 透明なユニゾン感覚が得られない場合、音域グループ(低音域・中音域・中高音域・高音域)によるカノン奏を行う

ロングトーン練習のポイント!

  1. 野球は直球から – 管楽器はブレないサウンドから

    レス   ▶︎ 鼻呼吸+口
    スポンス ▶︎ 楽器がすぐ反応する状態にしておく
    らす   ▶︎ 音は媒体が振動して発生する リードや唇をしっかり振動させる
    持する  ▶︎ おーーーーーーーーい!!と遠くへ呼びかける
  2. 発音する前に、今から鳴らす音の音程・音色・音量・スピードを、身体でイメージする
  3. 低音域の基音上に響く倍音に、中音域が溶け込む
  4. 中音域の基音上に響く倍音に、高音域が溶け込む
  5. デフォルト音量のmf は、たっぷりと吸気した息が振動体をしっかりと振動させ、ストレスなく息が入り、豊かに鳴っている状態であること
  6. ただしアパッチャー(息の入り口)を広げすぎないこと
STUDY

2. INTERVALS – 2〜5 degrees

次は 

長短2度長短3度完全4度完全5度ユニゾンで演奏します。

音の階段を作ろう

  1. 正確で透明な2度~5度音程を作る
  2. バンドで共有する音の階段を作る
  3. 実際の楽曲に頻繁に使われる音程であることを認識し

    曲ですぐ使える
    バンドとしての音程」を
    全員」で
    丁寧」に作り上げる

インターバルトレーニングの練習方法

  1. メトロノームで指定されたテンポを鳴らす
  2.  吸気しながら身体を前へ倒す
  3.  排気しながら身体を元の位置に戻していく
  4. クロス位置で自然に消音する
  5. 透明なユニゾン感覚が得られない場合、音域グループ(低音域・中音域・中高音域・高音域)によるカノン奏を行う

インターバルトレーニングのポイント!

  1. 平均律とは何かを理解する
  2. よく歌いよく聴いて、音程と音程移行に関するソルフェージュ能力を高める
LESSON

3. SCALE BALANCE

ロングトーンとともに演奏技術の基礎を作ってくれるスケール

よく使う調の音階を平均律で鳴らせるように練習しよう!

音階練習の目標

  1. 正しいピッチとンターバルで音階を演奏できる
  2. 指定されたテンポ内で正確に演奏できる 
  3. バランスを整えることができる

音階の練習方法

  1. メトロノームで指定されたテンポを鳴らす
  2.  吸気しながら身体を前へ倒す
  3.  排気しながら身体を元の位置に戻していく
  4. クロス位置で自然に消音する
  5. 透明なユニゾンが得られない場合、音域グループ(低音域・中音域・中高音域・高音域)によるカノン奏を行う

音階練習のポイント!

  1. 良いイントネーションを心がける
  2. 全音、半音を識別、認識しながら演奏する
  3. 上行は dim.
  4. 下行は cresc.
  5. できるだけ歌うように演奏する
  6. アーティキュレーション(スラー・スタッカートetc.)を付けた練習も行う
BRAND

4. BASIC HARMONY TRAINING

2声3声のハーモニー練習です。

ここからは平均律だけでなく、純正律も使います。

きれいにハモらせよう

  1. 倍音と差音を理解する
  2. 協和音程と不協和音程を理解する
  3. 純正律3度と5度の響きを覚える

ハーモニートレーニングの練習方法

  1. メトロノームで指定されたテンポを鳴らす
  2.  吸気しながら身体を前へ倒す
  3.  排気しながら身体を元の位置に戻していく
  4. クロス位置で自然に消音する
  5. 透明なハーモニー感覚が得られない場合、ハーモニートレーナー、チューナーを使用して確認、修正を行う

ハーモニー練習のポイント!

  1. 完全協和音程理解体感する 
    完全1度、完全8度、完全5度、完全4度の順番
  2. 協和音程理解体感する
    長3度、長6度 など
  3. うなり理解識別できる
  4. 差音を注意深く聴いてみる
START

5. CHORALES

次は、4声のハーモニー練習です。

しっかりとハモる!

コラールを響かせよう

  1. 基本的な和声理論を理解する
  2. 自分の吹く音が、4声体のどの構成音なのかを理解しながら演奏できる
  3. 上記に基づき、ピッチとダイナミクスをコントロールできる
  4. 純正律の響きを身体で覚える
4声体の和声について
  • 人間の声(ソプラノ、アルト、テノール、バス)の4声で構成される
  • 構成音の重複は、主音、5音、3音の順で行う
  • 3音の重複は経過的処置等の一部のみで、原則禁止。7音は重複してはならない。
  • 倍音は、1度・8度・5度・3度の自然倍音が基本
  • 音量は、主音、5音、3音の順

コラールの練習方法

  1. メトロノームで指定されたテンポを鳴らす
  2.  吸気しながら身体を前へ倒す
  3.  排気しながら身体を元の位置に戻していく
  4. クロス位置で自然に消音する
  5. 純正な和音が響かない場合は、声部を担当する各グループ(根音・第5音・第3音・第7音)ごとの音出し確認を行う

コラール練習のポイント!

  1. 一つ一つの和音の
    「役割」
    響き」身体(耳)で覚える
  2. 各声部の音程、ダイナミクスを事前にイメージしておく
  3. 和声リズムを理解する
  4. カデンツ(Cadenza)フレーズを作る基礎であることを理解する
GROWTH

6.演奏上達の鍵は、聴くこと! そして 聴けるように脱力できていること

基礎合奏練習は
音を作る技術を習得するための練習

そして
音の良し悪しを瞬時に聞き分ける
耳を育てる時間
です。


ここで
音を聞くということをレベル分けしてみました。

Level 1からLevel3は、日常の生活でも使いますよね。
しかし、演奏の場合はその精度を上げて「聴く」ことが必要になります。

合奏で使う耳について
  1. Level 1  音の高低を聞き取る 耳
    ピッチやインターバルなどのイントネーション
  2. Level 2  音色を聞き分ける 耳
    何の楽器の音かを識別できる
  3. Level 3  速さ、強さなどを聞き分ける 耳
    遅いか速いか。強いか弱いかを認識できる
  4. Level 4 正しい奏法による音の良し悪しを聞き分ける 耳
    楽器固有の、楽器が本来持っている自然な音が響いているか
  5. Leve5 表現良し悪しを聞き分ける 耳
    自然で無理のない音楽表現が出来ているか


Level 4とLevel 5が
前出の

音の良し悪しを瞬時に聞き分ける ことにつながる高度な耳と言えます。

よく脱力し
よく聴いて
今鳴っている音の良し悪しを判断し
欠点を改善していく

基礎合奏練習で実力をつけていきましょう!

BASIC
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